朝日を受けるブライトンの海辺。桟橋の板張りが手前から伸び、水平線の上に太陽が出ている

Brightonの朝、太陽に同期する

白濱良太

朝からBrighton beachを5キロメートルほどランニング。

朝日を浴びる。日本からヨーロッパは西向きの飛行なので時差ぼけはましだが、目から視交叉上核に光を届けて、まずは体内のマスタークロックをリセットしてリスタート。

太陽系で生きている以上、ほとんどの生物はこのシステムの上で動くようにできている。人間だけが、電気の明かりを手に入れてから、そのリズムを狂わせている。

狂ったリズムを戻すのに、一番早いのが朝に外を走ることだった。

筋力トレーニングは昔から好きで継続もできるが、ランニングには苦手意識があった。しかし、しっかりとやり始めると、なぜこんなに気持ちが良いものだと誰も教えてくれなかったのか?!という感覚。知らない土地を探索しながら、自然豊かな中を走るのは、新しい一日の快適なスタートとして格別な体験。

Richard Louv(リチャード・ルーブ)が著書の中で提唱した、ビタミンN。いわゆる森林浴や、一定時間自然のなかで過ごすことを指す。最近は米国で、その時間が少ないことを「ビタミンN欠乏症」と呼ぶほどのようだ。それだけ、自然界に触れることでリラックス感や前向きな思考が得られるということが、我々現代人の私生活にも顕在化している。

日光を浴びながら走る。これはやめられない。

有酸素運動はBDNF(脳由来神経栄養因子)が作られることを促進して、新しい神経結合を強化する効果もある。学習や記憶の定着ももちろんだが、それだけではない。

強烈な体験や、自分を整えるための瞑想、カウンセリング、医療的なものを受けたとしても、神経回路を強化しないと元に戻ってしまう。新しい時代に向け、習慣を変え、自分自身を変えていくには、新しい神経回路を強化して定着させていくためにも、ランニングは欠かせない。

医療も、どこでも働けるデジタルツールも揃っている時代だが、まずは自分を太陽の動きに同期させるのが、パフォーマンスの土台。今すぐ、無料でできる。夢を実現するには、まず体を整えるところから。

音楽と情景を紐付けて記憶に残すため、その場所で聴いていた曲でプレイリストを作ることを習慣にしている。この日、聴いていた曲の中から一曲。

Seaside

The Kooks

ブライトンで結成された The Kooks の、海辺を歌った曲。アコースティックの音色が、朝一番の静かな浜と、昇ってくる朝日に溶け込む。